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2020年7月25日

第144回 「南極物語」

 梅雨明けが長引き、雨の一日となった7月25日(土)、国立映画アーカイブ(京橋)にて「監名会 第144回」が開催された。新型コロナウィルス感染症拡大予防のため、来場者は入館時にサーモグラフィーでの検温、マスク着用が義務づけられた。
 上映作品は『南極物語』(1983年)。雄大かつ苛酷な南極の大自然を背景に、置き去りされた15匹の樺太犬の苦難と南極観測隊員たちの奮闘が描かれる。主演に高倉健を迎え、監督は日本映画初の動物ドキュメンタリー『キタキツネ物語』を手掛けた蔵原惟繕が務めた。カナダの北極ロケを中心に、零下30度の中で3年余が撮影に費やされた。国内では1200万人を動員し、当時の日本映画の歴代映画興行成績(配給収入)1位を記録した。
 物語は1956年、南極観測隊の第1次越冬隊が南極観測船「宗谷」で南極大陸に赴いたところから始まる。第1次隊は様々な困難を克服したが、第2次隊は悪天候のため越冬を断念。樺太犬15頭を無人の昭和基地に置き去りにしたまま撤退せざるを得なくなる。犬係の2名の隊員、潮田暁(高倉健)と越智健二郎(渡瀬恒彦)は残された15頭を思い悔恨の日々を送るが、1年後に第3次南極観測隊に再び志願し、南極で兄弟犬タロとジロと感動的な再会を果たす。
 極寒の南極では予測不能な困難が次々と襲いかかり、無情にも生と死が隣り合う。将に先の見えないコロナ禍に苦しむ現代社会、「命」の儚さと向き合い「絆」に気付かされる日々を送る私たちと重なるかのようである。
  コロナ禍により文化のあり方そのものが問われる今日。劇場でのリアル上映からオンラインでの配信上映へのシフトが加速する中、スクリーンで大作映画を鑑賞する豊穣を改めて実感できた。恒例のトークショーは見送られたものの、未来の再開への希望をそれぞれの胸に抱きつつ上映会は閉幕となった。

(文:菅原英理子)





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