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第013回 「三越映画劇場(星ヶ丘)」支配人 市野康史さん
「星の輝く丘」
万博終了後も、経済が堅調な中部圏。その中核都市、名古屋にあって文教地区と言われているのが市内東部に位置する星ヶ丘。かつては、小高い丘があるゆえに、「星が輝く丘」という意味で命名されたと言われているこの街は、今、文教地区のターミナル駅として、日夜を問わず多くの人々で賑わっています。その星ヶ丘駅の真上に位置するのが、三越名古屋星ヶ丘店。このお店には、日本中でもめずらしい百貨店直営の映画館があります。今回は、劇場支配人の市野康史さん(36)にお話をおうかがいしました。

「お客様に名画を」
 三越映画劇場(三越星ヶ丘店9階)がオープンしたのは昭和55年(1980年)10月1日。オープニング作品は「料理長殿ご用心」(ジャクリーン・ピセット主演)でした。客席は、68席と、決して大きな劇場とは言えませんが、この劇場建設には百貨店としての大きな意味が込められていました。「当店は、文教地区、星ヶ丘に位置する百貨店。そのお客様に良質な映画を提供することによって、百貨店としての信頼を築いていくことが開館の目的でした」 市野さんは、そう語ってくれました。以来、劇場ロードショーが終了した作品の中から、良質な作品をセレクトして上映を続けてきました。「夏休みや冬休みはファミリー向けの作品を、それ以外はご婦人向けの作品を選んでいます」とのこと。今では、名古屋では数少ない名画座として、百貨店のお客様は勿論のこと、映画ファンの方から親しまれています。最近の上映作では、「ALLWAYS 三丁目の夕日」が大ヒット。「当劇場で公開する前に、日本アカデミー賞の発表がありました。その影響もあったのかもしれません」 この時は、普段以上の来場者で劇場は満席状態。「お待ちいただいたお客様にはご迷惑をおかけしました・・」 市野さんにとって、これは嬉しい悲鳴となりました。
「辞令一枚で」
 市野さんの名刺の肩書は「星ヶ丘店 営業推進部」、当劇場は百貨店の一セクションになります。三越入社以来、名古屋栄店の婦人靴売り場をはじめ、百貨店の現場で職務経験を重ねてきた市野さん。映画業界とは違う道を歩んで本年2月、三越映画劇場の支配人に就任。「他の劇場と違って、当劇場は百貨店の直営であり、辞令一枚で異動になります。だから私の場合、全然畑違いで」 照れながらそう語ってくれた市野さん。しかし、もともとは映画好きであり、三越入社当時は、足繁く三越映画劇場に通う映画青年でもあった市野さんにとって、映画劇場は希望のセクションでもありました。「劇場での経験は浅いかもしれませんが、それ故に百貨店のお客様の視線で運営していければ」とのこと。
「伝統と信頼」
 政財界をはじめ、さまざまな業界で不祥事が続く昨今。そんな中、お店にとって大切になってくるのはお客様からの「信頼」。古くは江戸時代の越後屋からの伝統を受け継ぐ老舗の百貨店、三越。「当店は、地域の固定客の割合が、他のお店よりも高くなっています。そのお客様の信頼に応えていくことが大切です。映画劇場は、その信頼維持のための大切なセクションです」 市野さんのこの言葉から、老舗の伝統を担う百貨店の映画劇場支配人としての責任感を感じとることができました。
(取材:木村昌資)
【三越映画劇場:http://nagoya.mitsukoshi.co.jp/star/index.html





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