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第021回 「川越スカラ座」支配人 西ノ谷未雪さん
市民の力で再生!老舗映画館
「古き小江戸に、若き活力」
350年以上に渡って、町に時を告げ続ける「時の鐘」。この鐘に代表されるように、江戸時代の古き町並みが保存されている埼玉県川越市。沿道には何代も続いていると思われる商店が軒を連ねます。
そんな古き良き時代の匂いを残すこの町に、地元生まれの若者たちが団体を立ち上げました。 それがNPO法人「プレイグラウンド」です。
「この町でおもしろいことをしよう!」その一言がきっかけでした。そして今、川越市に一館だけ残る映画館「川越スカラ座」を運営しています。 今回は、「プレイグラウンド」の一員で、劇場支配人の西ノ谷未雪(29)さんにお話を伺いました。
「売り上げ金で映画上映会を!」
「プレイグラウンド」が誕生したのは今から3年前の2005年5月。当初のメンバーは5人。地元企業の経営者や、公務員に会社員と、それぞれ仕事を持ちながら日夜、集まっては町の活性化について知恵を絞ります。観光客向けに売り出した手拭いやTシャツを中心にした「川越グッズ」の評判は上々。売り上げ金で何かやりたい、と思いついたのが映画上映会でした。
1年後の2006年に「地方都市では、なかなか見ることができない名画の上映を」ということで、都内の単館系劇場で評判の高かった「カーテンコール」の上映会を行います。会場は、1905年開館の老舗映画館「川越スカラ座」。映画を観終えた市民の人々の満足気な様子に、メンバー一同満たされた思いに包まれます。しかし、それからさらに一年後に思いもよらぬことが・・・。
「市民の力で映画の灯火を!」
他の地方都市と同様に、川越市内の映画館も、郊外の複合型映画館に客を奪われて厳しい状況に。最後まで残った「川越スカラ座」も2007年5月に閉館する予定でした。 「町から映画の灯火が消えてしまう!」。一年前に上映会を成功させた「プレイグラウンド」のメンバーが立ち上がります。「川越スカラ座を残したい!!」若者たちのこの声に、館主の中山仁一さん(82)も心動かされ、映画館の行く末を若者たちに託します。しかし、先立つ資金が・・・。そこで「プレイグラウンド」は、市民を対象に1口1万円の基金集めを開始します。目標額は500万円。若いメンバーの情熱と「昔から通い続けていたから」という年配の方をはじめ、多くの市民の協力でとうとう目標の金額に到達。同年8月18日、「川越スカラ座」は再スタートしました。上映作品は「しゃべれどもしゃべれども」と「魂萌え!」。イベントとして、地元出身の落語家による講演も行われました。
「町の魅力に惹かれて」
「実は私は、川越育ちではないんですよ」 そう語る西ノ谷さん。夫の実家が川越にあり、その関係で「プレイグラウンド」のお手伝いを始めたという。川越という町に魅力を感じた西ノ谷さんは、デザイナーという本業を持ちつつ映画館の運営を担っているとのこと。「今後も、市民の居場所として劇場運営を続けていきたい。そして、“川越で遊ぼう 川越を遊ぼう”をキャッチフレーズに楽しいイベントも考えていければ」。
スクリーンが一つだけの一戸だての映画館。今、希少価値となった昔ながらの映画館「川越スカラ座」、それはこの美しい小江戸の町に、見事に馴染んでいるように思えました。
(取材:木村昌資)
【川越スカラ座:http://www.k-scalaza.com/
TEL/FAX.049-223-0733





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