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第027回 桜井薬局セントラルホール  小野寺勉 支配人
 戦国武将・伊達政宗のおひざ元、緑豊かな「杜の都」として名高い仙台。毎年8月には、「七夕祭り」が夏の宵を彩ります。祭りで色鮮やかな七夕飾りが連なるアーケード街に位置する桜井薬局ビルに「桜井薬局セントラルホール」はあります。前身の「セントラル劇場」誕生から30年。劇場の歴史を知り尽くした小野寺勉支配人(54)に、お話を伺いました。
 根っからの映画好き。十代の頃から同士を募り、フィルムや16ミリ映写機を借りて、自主上映会を開いていたそうです。木下恵介監督の弟子、川頭義郎監督の「涙」や市村泰一監督作品など、知る人ぞ知る名作をホールで上映しました。
 学生時代は映画館でアルバイトする日々。「家業の八百屋を継ぐのを避けていたのかもしれません」と笑いますが、オールナイトの映写を担当していた頃は、年間500本を超える映画を劇場で見たそうです。
 「新しい劇場を作るので、就職しないか」と誘われ、「1年ぐらいなら」と軽い気持ちで入ったら、もう抜けられなくなりました。
 仙台市内は、以前は東宝や東映などの系列館が多かったそうです。地元館は3軒だけ、「セントラル」はUIP映画の専門館でした。「レインマン」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「フラッシュダンス」などヒット作は数あれど、「一番印象的なのは『シンドラーのリスト』です」。入場待ちの客がビル3階の劇場から階段を下り、アーケードにまで連なったそうです。4か月の超ロングラン、大都市圏以外の興行では同映画トップの成績を収めました。
 「仙台で上映したのはうちだけ。地味な映画で、それほどヒットしないと思ったのでは。すごかったですね」
 好きな映画監督は、邦画なら成瀬巳喜男、木下恵介、洋画ならクリント・イーストウッドやジョン・カーペンターら。アート系の芸術映画もいいですが、映画の喜びを堪能できる作品が好みだそうです。「娯楽映画の中で勝負している人が好き。忘れられている作品を、次代へ引き継ぎたい」。
 通常興行とは別に、映画ファンをうならせる作品をそろえ、土曜レイトショーを開いています。人気があるのは石井輝男監督の「恐怖奇形人間」、客席が埋まるドル箱です。ほかにも「黒蜥蜴」や「盲獣」も人気とか。仙台の人は江戸川乱歩が好きなのでしょうか。上映作品を明かさない「覆面上映」も随時開催。タイトルだけなら遠慮してしまうような、いわゆるB級映画を用意しています。
 市川雷蔵や成瀬監督特集などの時には、県外からもファンが集まります。「若いお客さんが片岡千恵蔵の演技に笑い、拍手喝采してくれるのがうれしいですね」と目を細めますが、「仙台・宮城のファンは評価の高い代表作が好きで、隠れた名作は敬遠する。そちらを見てもらいたい気持ちもするのですが」と、ちょっぴり不満もあるようです。
 ご多分にもれず、仙台も街の中心部にあった映画館の多くが姿を消し、郊外にシネコンが乱立しています。「セントラル」も経営者が何度も変わり、そのたびに閉館の危機を迎えました。「『もう終わりなの』と、涙目で話しかけてくれる人もいた。そうした人たちのためにも頑張りたい」と小野寺さん。今年9月からは自ら会社を設立し、劇場経営に乗り出しました。「これからレイトショーも増やしていく。女性やシニア層向けの上映に力を入れたいです」、そう熱く語ってくれました。
(大木隆士)
【桜井薬局セントラルホール:http://www.sakura-centralhall.jp/
TEL.022-263-7868





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