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第017回 「市民ケーン」オーソン・ウェルズ
 1937年、中学に入った頃から写真が好きで近くの写真屋さんに出入りするようになり、現像焼付けなどを覚えた。その為、中学や大学の卒業アルバムは自分でスナップをとり、編集も担当した。戦後、これが高じスチールマンになろうと思ったが、友人の誘いもあり新しく出来た新東宝でムービーの助手になった。
 私の最初の師匠は三村明さんである。ロケ先などでよくハリウッド時代のことをお聞きしていた中で三村さんがオペレーターをされていたグレック・トーランド撮影監督が話題になった。
 「市民ケーン」はトーランド撮影監督が撮影を担当した不朽の名作である。モノクロ映画の最高作品、いや映画始まって以来の、あらゆる「映画の最高技術」が盛り込まれている最高傑作と私は思っている。私にとって「市民ケ−ン」は生涯忘れられないこの一本である。 「市民ケーン」を見るたびに三村さんのロケ先での事が夢のように思い出される。
私は今村学校(現日本映画学校)の講師のとき、ゼミ生に毎年必ず一回は「市民ケーン」を見せる事にしていた。何故ならば撮影監督にとって最重要課題である「フィルムの性能に見合ったライティング」をこれほど素晴らしく表現している作品は他にないからである。
 ラストエンペラー等を手がけた撮影監督、ビットリオ・ストラーロは「映画の撮影とは・・・」で「光で書く」と公言しているが、「市民ケーン」はまさに光をフィルム上に定着させた本物のライティング作品なのである。
(日本映画撮影監督協会(名誉会員) 萩原泉)





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