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NPO法人 日本映画映像文化振興センター 設立10周年記念
監名会フォーラム
「日本映画のこれ迄とこれから ―何をどう伝えていくか―」
共催:調布市  後援:調布市教育委員会/財団法人 調布市文化・コミュニティ振興財団
2009年11月9日 13:30〜17:00 調布市文化会館たづくり くすのきホール

 2000年秋当法人設立、昨秋より10周年の年に入りました。映画人と映画ファンでつくったNPO法人日本映画映像文化振興センター。
監督と共に名画をみよう会、略して監名会は、1981年秋に私(竹下)が始めてより、年間平均4回、本年は30周年の年に入ります。
この会を中心に2000年秋に法人をつくり、三浦朱門さんを理事長にお願いしました。
おかげ様でこの10年、監名会はぶれることなくたんたんと回を重ね、昨年2月には100回を記念して司葉子さんをゲストに迎え「紀ノ川」を上映、お話をうかがいました。そして記念パーティも行ない、多数の俳優さん達にもきていただいて大いに盛り上がりました。
所で、日本映画のこれ迄はどうだったのか。
29年前、日本映画のこれからの為に監名会をはじめました。しかし撮影所というシステムがなくなってしまった今、日本映画のこれからはどうしたら良いのだろうか。
日本映画のこれ迄を検証し、どう継承していくか、当法人の10周年を機に第1部で邦画の代表作「東京物語」を上映し、第2部で同作品に参加した橋治さん(助監督として)・川又ミさん(撮影助手として)・香川京子さん(俳優として)によるパネルディスカッションを行いました。司会は寺脇研さん(法人副理事長)。
第1部で、当法人三浦朱門理事長はあいさつで自身の映画についての思いを語り、長友貴樹 調布市長は映画の街・調布についての抱負を語った。

以下は第2部、パネルディスカッションのパネラーの方々のコメントの一部です。

:「ヨーロッパに1年半ほど滞在していた時、『東京物語』の助手をしていたのは本当か、と皆から聞かれた。実際小津組は、そのほとんどが小津監督の一存で決まるので、スタッフは、その一存を達成させる為に、手助けするにすぎない。すごく退屈なんですよ。しかしすごいものを作る現場を見てしまったことは、人生に大きな影響を与えるものとなり、『東京物語』の助手だったということは、今は私の一番の誇りに思っているところです」

川又:「『東京物語』の時、小津さんは50才、笠さんは48才だった。小津組は毎日9時〜5時、日曜は撮影しない、従って残業代は稼げない。野田高梧氏とシナリオを練りに練ってつくるので、第一稿が決定稿で出来上がった映画は予定尺数にピッタリ。ものすごいフィルムオーバーは、監督の満足いくまで行うテスト(主に俳優)の為。カメラは、本番も小津監督がのぞくのでカメラマンの厚田さんはオレはカメラ番だと言っていた」

香川:「小津組に出演すると決まった時、私は原節子さんと共演できることが一番うれしかった。その原さんは、早くに引退され、その他の俳優さんは皆他界され、何もわからずに出演した私が色々と『東京物語』について聞かれる。私は、当時、小津監督が“うちわを5回動かしたら手を下して時計見てセリフを言いなさい”等と言われるままにやっただけ。今思うと他の黒澤監督・今井監督などもご自身のリズムがあって、それにあてはまるように演技が要求されていたように思います」

寺脇:「世界中で出ているどんな小津さんの本よりも、今日は生の話がうかがえました」と結んだ。

(文:竹下資子)





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