インターネット エクスプローラーダウンロード
推奨環境:IE5.5以上



 HOME > 館主さんを訪ねて > 連載記事


第004回 「ポレポレ東中野」支配人 大槻貴宏さん
「夢と現実」
 ポレポレ東中野の支配人であり、トリウッド(短編映画専門館・下北沢)の代表でもある大槻貴宏さん(36)も、かつては自主制作映画を撮っていた。高校時代、8ミリカメラを片手に自主製作映画を撮り、「ぴあフィルムフェスティバル」に入選したことも。しかし、この時はまだ、将来、好きな映画で飯を食っていけるとは思っていなかったそうだ。その理由は、その当時、映画を仕事とするには誰かの元で修行するという形が一般的であり、そのやり方は自分には向いていない、そう思っていたからだ。好きな事をして将来生活できたら素敵だなあと思いつつ、現実には難しいだろうと諦めていたという。しかし、そう思う一方で、大槻さんの映画への思いは次第に強いものとなっていく。

「夢の方法論を求めてアメリカへ」
 大学進学後、大槻さんは、「好きな映画で飯を食っていければ」と真剣に考え始めるようになる。そのためにはどうすれば良いのか?大槻さんの答えは渡米して映画を勉強することであった。「なぜなら、映画が産業として成り立っていたのがアメリカであったから」。時あたかも、バブル経済の最盛期。空前の就職売り手市場の中、大学卒業後の大槻さんは単身アメリカへ。
「映画は作品であり、かつ商品でもある」
 アメリカの大学で大槻さんは、「プロデューサーコース」を専攻。そこで大槻さんが学んだことは、映画製作の方法論だけでなく、照明・撮影・録音・編集・・と映画製作にかかわる全工程であった。これは、作品の全てを統括するプロデューサーは、その全ての役割を理解しなければいけない、という教授の方針からであった。ここで、大槻さんは、プロデューサーというのは、映画を「作品」として完成させることはもちろんのこと、それを「商品」として成り立たせること、そう、ビジネスマンとしての感覚が大切なのだ、ということに気付かされたのだ。
「はじめの一歩」
 約二年間の留学期間を終えた大槻さんは、帰国後、映像専門学校の講師を経て、99年に下北沢に短編映画専門館トリウッドをオープンさせることに。短編映画が作品としては評価され、数々のコンクールで話題となっても、それがビジネスとしては成り立たないのが現状であった。「人々から評価され支持されている。それが商売として成り立たないはずがない」、この思いがトリウッド開館の動機であった。オープンして四年、この劇場は自主製作映画作家の登竜門として定着してきた。この劇場からは、「ほしのこえ」(‘02年新海誠監督)などのヒット作も登場する。大槻さんは、劇場主としてだけでなく、ヒット作を生んだ監督たちの次回作をプロデューサーとして支えていくことになる。

「新しいステップ、ポレポレ東中野」
 ドキュメンタリー映画を積極的に上映してきたBOX東中野が、ポレポレ東中野として新しく出発したのが、2003年9月のこと。開館に先立ち、新しい劇場の支配人が一般公募されることになった。大槻さんも応募することに。短編専門トリウッドで世に出た映像作家たちのステップアップの場をつくりたい、という大槻さんの新しい夢の実現のためであった。その思いを劇場オーナーに語ったところ、オーナーと意気投合し、大槻さんは劇場の支配人として選ばれることに。

「今後は、音楽や演劇と同じように、インディーからプロデビューできるような道筋をつくりあげていきたい」。
製作・配給・興行、映画業界の全ての分野に目をむける大槻さんの映像フロンティア精神の挑戦は、まだまだつづく。
(取材・竹下資子 構成 木村昌資)
【ポレポレ東中野ホームページ http://www.mmjp.or.jp/pole2/





組織概要   入会案内   個人情報保護指針   よくある質問   お問い合わせ

Copyright (C) 1981 - CurrentYear MCAC All rights reserved.
 
Powered by L-planning